RCP 60th anniversary
掛ける人がハッピーになる眼鏡

ーお二人は、ご夫婦ともにデザイナーで、それぞれ自身のブランドを立ち上げられています。もともと同じ眼鏡メーカーにいらっしゃったんですよね。

榎本:そうです。僕らは二人とも武蔵野美術大学出身なんですが、僕はもともとサングラスのデザインをしたくて、眼鏡メーカーに入りました。眼鏡はファッションデザインであり、プロダクトデザインでもあり、建築的な要素もある。それを、チームでなく一人でデザインワークできることに、当時から魅力を感じていましたね。

塚越:私は初めから眼鏡と決めていたわけではないんですけど、そのメーカーがアジアやヨーロッパなど世界に支社を持っていて、グローバルに仕事ができるのがいいなと。

ーデザインするうえで、大事にしている芯の部分はお二人で違うのですか?

榎本:僕は、これまでデザイナーがやってこなかった、またはできなかったエ法の組み合わせや素材の置き換えをすることで、眼鏡のデザインを一歩前に進めることを常に考えています。

塚越:私は雰囲気的な部分を重視していて。デザインの入り口は、イマジネーション。そのぼんやりした部分と、緻密に計算している部分とをミックスすることが好きですね。コレクション毎にテーマを設けているのは、自分の表現したいことを、掛ける人にまでしっかり届けたいから。掛ける人の生活を豊かにするものを作りたいと思っています。

榎本:お互いバックグラウンドは違いますが、所有して満足感の高いものを作りたいというのは、僕も同じです。彼女の作る斬新な形は、ものすごく考え抜いた結果生まれているんだろうと傍で見ていて感じています。彼女にアドバイスするのは技術的な面だけです。

塚越:眼鏡には視力矯正、紫外線防止といった機能もありますけど、それ以上に使っている人がハッピーになれること。私は、それもひとつの機能として考えているんです。それには、作りの良さももちろんのこと、色や形のバランスといった見た目の部分も重要。作りの機能性に比べて見た目の部分は軽視されがちなんですが、私は同じぐらい大切な機能だと思っています。

榎本:掛け心地であるとか、人間工学的な部分はもちろん重視しています。でも、日本だとそうした作りなどのハードの面にとくに重きを置きがちですからね。

塚越:多分私のデザインは、工場からすると「なんでこんな非効率なことをするんだろう」と思われることもあるはず。でも、単純作業でじゃんじゃん作れるような商品を作っても、喜ばれないと思うんです。

榎本:世の中の大半の人がそれで良かったとしても、僕らはそれで満足できない人のために作っているので。
工場の人たちも、自分たちのデザインのファンになってくれれば、すごく協力してくれるんです。その力はすごく大きい。

塚越:もちろん、工場の技術には少なからず制約があるのだけど。

榎本:でも僕らは決して突飛なことをしたいわけではないんです。ちょっとした表現だけれど、これまで誰も気がつかなかったということが、眼鏡のデザインにはあると思っていて。

ー今回60 周年記念でコラボしたGEO も、発表当時多角形のデザインがとても斬新でした。このモデルでコラボをするに至った経緯を教えて貰えますか?

塚越:GEO は、メガネアンドミーのアイコンであり、ずっと定番として続けていきたいモデルなんです。だから、どこかとコラボをするなら、特別なときにやりたいなと思っていて。会社が60周年を迎えるって、すごいことじゃないですか。だからお話をいただいたときは、ピッタリだなと思いました。

榎本:今回、ありとあらゆる色を試したりしましたね。

塚越:このコラボだからこそのカラーに仕上がったと思っています。

ーそんなアール・シー・ピーはお二人にとってどう映ってますか?

塚越:眼鏡を身近なものとして捉えやすいアクセシブルなお店づくりをされていますよね。それは私のデザインにも通ずる部分があるんです。コンタクトユーザーが増えるなか、眼鏡はもう目が悪いから掛けるというものではなくなってきていますよね?そうしたなかでなぜ眼鏡を買うのかといったら、自分にとって身近に感じるとか、取り入れやすいというのが動機になると思うんです。

榎本:眼鏡のセレクトショップというと高級感を演出するお店が多いなかで、アール・シー・ピーのお店は雰囲気が柔らかくて、親しみやすい。それでいて商品の奥行もあるし。

塚越:スタッフの方々も、モチベーションが高くて明るい。人が店を作っているというのが、すごく伝わってきます。眼鏡もお店も、やっぱりそれを形づくっているのは人なんですよね。そこにオリジナリティがあるべきなのは、どちらも同じなんだと思います。

※インタビューの記事はR.C.P全店舗にて無料配布しております
60周年記念LOOKBOOKにも掲載しております。


QUESTION & ANSWER QUESTION & ANSWER
普段メガネはかけていらっしゃいますか?
または、どんなメガネをかけられてますか?

塚越:megane and meのサングラスをかけています。

榎本:自分でデザインしたメガネをかけています。

自身が手がけたアイウェアをかけてもらいたい著名人はいますか?

塚越:著名人やキャラクターではないのですが、デザインやファッション、アートが好きな方々にかけて頂く事が多く、そういう方々に愛されるような商品を作れたらいいなと思っています。

榎本:アノニマスなイメージです。国籍問わず物をフラットな視点で見ている人、プロフェッショナルな人たち(料理人、作家、音楽家、学者etc…)が選んでくれたらと思います。

好きな本、音楽、映画はありますか?

塚越:21ジャンプストリートシリーズ。パリに行く飛行機でたまたま観たのですが、笑いをこらえるのが大変だったコメディ映画です。

榎本:『モノからモノが生まれる』ブルーノ・ムナーリ。 『フォークの歯はなぜ4本になったか』 ヘンリー・ペトロスキー。

右脳派・左脳派どちらですか?

塚越:右脳と左脳どちらも派です。

榎本:左脳派のような気がします。どちらもバランスよく使えたらと思います。

座右の銘は?

塚越:豊かなアイデアと最大限の表現。

榎本:決して焦らない。

PROFILE
  • 榎本郁也 / I.ENOMOTO / デザイナー 榎本郁也 / I.ENOMOTO / デザイナー

    アイウェアデザインスタジオ ONLYGOODFORMS 代表。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、福井の大手眼鏡メーカー「シャルマン」に勤務。東京デザイン室勤務を経て2007年よりミラノデザイン室(イタリア)にてファッションブランドの商品企画・デザインを担当。帰国後独立し、2012年にONLYGOODFORMSを設立。2017年、自身のブランド I.ENOMOTOをスタート。東京をベースに眼鏡ブランドのデザインを多数手掛けている。
    Instagram>>> @i.enomoto

  • 塚越清香 / megane and me / デザイナー 塚越清香 / megane and me / デザイナー

    武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、福井の大手眼鏡メーカー「シャルマン」に勤務。同社では、自社ブランドや、ファッションブランドのアイウェアデザインを数多く手掛ける。2013年に独立後、同年秋にmegane and meをパリにて発表。世界的にもまだ女性のアイウェアデザイナーが少ない中で、独特のカラーやフォルムの提案をし続けている。
    HP>>> http://meganeandme.com/
    Instagram>>> @meganeandme

Photo_NOJYO

Text_Mirei Ito

撮影協力_Zig TOKYO